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今年は VISTAの年になる!? / 2008.1.31

■マイクロソフトWindows VISTA 発売から1年
 マイクロソフト社が日本でWindows VISTA を発売してから1年が経過した。
 ところがVISTAはユーザー(特にビジネスユーザー)になかなか受け容れられず、当初目論んだような爆発的な普及には至らなかった。
 ではどんな点がユーザーの気に入らなかったのだろうか?

・価格が高い
  Windows VISTA搭載のパソコンはXP搭載パソコンに比べて1万円以上高いじゃないか!
・種類が多い
  VISTAには何種類もあって、どれを選べばよいかわからない。
・”良さ”がわかりにくい
  「現状で性能は充分」と思っているユーザーにとってどこがどう良いのかがわかりにくい。
・使いにくい・使えない
  ソフトやウェブサイトにおいてVISTA非対応のものが多くあり、使えないのは困る。
  数年以上も使ったXPに慣れているので、VISTAに変えると使いにくいんじゃないか?

 …といったところになるだろう。以下、少し詳しく見ていく。

■VISTAへの不満・不安の解消へ

1)価格の問題
 これは、VISTA自体がXPより高いということもあるが、VISTAの機能を充分に発揮させるためには大きなメモリや高性能なグラフィック機能が必要とされたため、これらのハードウェア価格がパソコンの値段に反映したということもある。
 現在では、メモリの価格も安くなり、高性能なグラフィック機能もパソコン自体に組み込まれたものも出ているために、XP搭載パソコンよりも「1万円以上も価格が高い」ということはなくなっている。
 ネットで確認したが、現状ではパソコン各社ともXP搭載とVISTA搭載それぞれのパソコンの価格差は事実上ないと言っていい。

2)種類の問題
 思い切って単純化して説明すると
・これまで「XPのHome」を使っていた部署・業務については「VISTAのHomeBasic」を
・「XPのPro」を使っていた部署・業務はVISTAなら「Business」を
・動画やテレビや録画編集などを楽しむなら「Home Premium」を勧める。

3)”良さ”…性能向上と改善点
 これも極言するなら「安全性の向上」、それに尽きる。
 見た目や操作性も変わってはいるが、敢えて「良い」と言う程でもない。
 市場の支配者が「次はこれだ」と言うのだから仕方ないのである。

4)使えるようになったか?
 使い勝手は、普通のユーザーがさわる範囲ではそれほどXPと変わらないので心配ない。
 ただし、VISTAではなくOfficeの方の話になるが最新の「2007」は使い勝手が大幅に変わったため、これまでワードやエクセルなどのOffice各ソフトを使いこなしてきたベテランほど大変だという。
 Officeについては当面「2003」のほうが無難と思われる。
 さてVISTAだがこれまで非対応だったソフトの対応も進みウェブサイト等も同様と聞くが、現時点では完全ではない。必要な業務がVISTAで全て遂行できるか、周辺機器の対応も含めてよく確かめてからVISTAを採用する必要がある。

■WindowsXP の販売終息情報

・ライセンス販売は終了済み
 ライセンスでOSを大量に契約するような大手のユーザーはここを読みに来たりはしないだろうが、WindowsXPのライセンス販売は2006年11月にすでに終了している。

・市販の「WindowsXP 搭載パソコン」がなくなる時期は?
 マイクロソフト社はOEM版の提供は2008年6月30日までと発表している。
 つまり市販のパソコンでXP付きのものを買えるのは、今年前半まで、ということになる。
 それ以後どうしても新しいパソコンにXPを入れたければ原則的に「DSP版のXP」をOSなしのパソコンと一緒に買って来て(注:DSP版は単独では売らないため)自分でインストールする形になるだろう。

・WindowsXPのサポート期限は?
 Windows XP Home Edition / Professional共、メインストリームサポートが2009年4月14日まで、延長サポートが2014年4月8日までとなっている。
 (まだ使っている人も多いWindows2000Professionalについてはそれぞれ2005年6月30日(終了済み)、2010年7月13日までだ。)
 ちなみにVISTA各版のメインストリームサポートは2012年4月10日までとされている。

■VISTA普及を予測する
 個人的な予測であるが、Windows VISTAは来年度(平成20年度)において普及が進むだろう。
 2001年末近くのXP発売以来丸7年以上が経過した。
 XP発売直後(つまり2002年春からの新年度)から大きく買い換え・買い増しが進んだ過去を振り返れば、その時に入れたパソコンの使用年数を考えると、2005年春で丸3年、2006年春で4年、2007年で5年、2008年で6年となる。
 リース期間によって決まる一般的なパソコン入替えサイクルで言えば、3年リースの場合:2005年に入れ替えし(当然またXPのパソコンに、だ)、それから2008年でまた丸3年となりちょうど入替時期となるのだ。
 このほか、2003年や2004年に導入したパソコンにも入替えのチャンスを待っていたものもあるだろう。2006年購入でも酷使される主要業務用ならば2年で入れ替えるのが適切だろう。
 これが、ちょっと乱暴だが、この春以降にVISTAに入れ替わるパソコンの数はかなり多いと想像するゆえんのところだ。

 一定数以上がVISTAに変わっていけば、流れは一気に加速するということも、考えられる。

■じゃあどうしようか?を考えてみる

1)もうちょっとだけ、待つ
 VISTAも不安だし現状手持ちのパソコンを使いながらもう少し様子を見る、と考える。
 それも一つの見識である。ただし予算執行などのタイミングというものもあるだろう。

2)安定・安心な「XP」を買おうか?
 サポートも延長されたし性能的にもXPで十分だし使い慣れたXPをまた買おう、と考える。
 大きく取り残されたり大きな不便を被ることはないだろう。

3)VISTAの導入
 XP(発表後すでに6年)がこのあと2,3年後も満足できる性能・機能であるとは思えない。
 だから、XPを更にあと2、3年も使い続けるのは現実的ではない、と考える。
 不具合の修正やソフト等の対応も進んでいて業務に支障はないことを確認した、という場合。
 販売不振&競争のため低価格で購入できる今の時期に買う(原油高騰等の事情で今後値上がりする可能性がないとはいえないし)、という決断もあってよい。

■『ありんこ』からの提案
 結論はケースバイケースであるが、近いうちのVISTA化は時代の趨勢だろう。
 周囲に流されず、明確な知識と意識を持ってXP堅持かVISTA移行かを決めるべきだ。

・どのVISTA/どんなパソコンにするべきか?
 一般的な事務用なら、現状がXP Homeならば「VISTA HomeBasic」でよい。
  (それ以外の場合は詳細検討の上で)
 パソコンのCPUはセレロン420などの低位機種で充分である。
 ただしメモリは最低1GB(できれば2GB)の搭載をお勧めする。
 液晶モニタは「19インチワイド」が流行だがこれは横幅は15インチ液晶比1.4倍と広いものの、縦は同比3センチも変わらない。業務内容や使い方によるが、一般事務用にはワイドでない19インチをお勧めする。

・Microsoft Officeのアップグレード注意!
 前述したが「MS Office」については最新2007のユーザーインターフェイス(使い勝手)の大幅変更による混乱と業務効率低下は習熟者においてより深刻となるため、高度な業務に多用するような場合には現状維持または更新する場合でも一つ前の「2003」版にとどめることを強くお勧めする。

2008.1.31
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