■プリンタその他の周辺機器について:独断ガイドライン
[ プリンタ ]
□カラー・レーザープリンタ
安くなって小型化し、画質も向上した
 製品価格はかなり下がり、当初よりは相当小型化した。 
 画質も向上したが、「写真画質」についてはインクジェット式にかなり譲る(適さない、と断言しておこう)。 
 印刷速度も向上したが、まだモノクロレーザーには及ばない。 
 ランニングコストも下がって来た。「墨一色印字」のコストを意識した製品も出ている。 
メンテナンス(消耗品)をよく検討してから導入を
 カラーレーザーの場合、モノクロレーザーと違い、通常「黒」+「カラー3色」という4通りのトナーが必要である。 
 モノクロならトナーと一体型になっていることが多い「感光ドラム」(メーカーによって呼び名が違う)もトナーとは別の消耗品として交換が必要になる。 
 更には、「廃トナーボックス」という消耗品も必要な場合がある(機種による)。 
 自社で消耗品管理をする場合には、これらのことを事前に良く把握しておくことが必要だ。 
導入検討には、画質、頻度、単価などの検討を
 用途としては、宣伝やプレゼンのために頻繁または大量にカラーでの出力が欲しい場合、カラー写真等を内容に含む調査報告書等の業務用書類の大量または高速な出力、ということになるだろう。 
 画質については前述のようにカラーインクジェットプリンタとの勘案を。 
 頻度・単価については、通常出力1枚ごとに「カウンタ料金」が発生するメンテナンス契約をしたカラーコピー機やFAX複合機を使用する場合との比較検討を(カウンタ料金はカラーとモノクロで違う場合があるので注意)。 
 
 
□モノクロ・レーザープリンタ
使いやすいオフィスの定番機器
 オフィスで業務用として紙に出力するのなら、まず筆頭はこのモノクロレーザープリンタだろう。 
 大型の、高速で多種の用紙を扱え、さらには帳合せやホチキス止めの機能をもつものもある。 
 小型のA4用紙以下専用で、デスクサイドに気軽に置ける安価なものもある。 
 ネットワーク機能を内蔵し、部署内で手軽に共用できるものも増えた。 
 社外品の安い「リサイクルトナー」を上手に利用するとランニングコストを下げることができる。 
 
 ところで、最近「エコ」だと喧伝されている「裏紙」の利用は、プリンタの不調・故障の可能性が高くなるので一般的にはお勧めできない(感光ドラムにキズの危険性や紙詰まりなど)。 
 用紙節約を考えるなら、無駄な出力をしない努力と、元々”両面印刷対応”のプリンタを選ぶほうがよい。 
消費電力に注意を
 レーザープリンタで気をつけたいのは、消費電力だ。 
 オフィスでよくみかけるA3対応のレーザープリンタは1kw以上の電力を食う(最大時)。 
 A4小型機でも500Wくらいは食う。 
 オフィスにパソコンやプリンタを増やす場合、プリンタの消費電力の事も考慮に入れて電源を使い分けしないとのちのちトラブルのもとになりかねない。 
使えばいいのに…いろいろな機能
 「両面印刷機能」をもつ機種がある。持ち出しする時の紙のボリューム低減や、渡した相手が勝手にコピーして二次利用するのを抑止する意味で有用だ。だが、なぜかあまり使われていないようだ。 
 「ウォーターマーク(すかし)」機能もある。複写を(主に心理的に)防ぐ効果があるが、同上… 
 「きれい←→はやい」の切り替え機能も余り使われていない。通常「はやい」に設定されたままのことが多いのだが、はやい=粗いということなので、大事な書類には「きれい」を使いたい。印刷された文字のクォリティが違うのだ。見る人は見ている。 
 「逆順に印刷」「部数ごとに印刷」などの機能も、知っていると便利で効率が上がる。 
 
 
□インクジェットプリンタ
我が国の美風のおかげで年々進化
 わが国の伝統的な美風であるところの年賀状・暑中見舞いのおかげで、インクジェットカラープリンターは年々進化を続けている、といってもいいだろう。 
 デジタルカメラの普及と高性能化も併せて、プリンタの進化に拍車をかけている。 
 その速い進化の速度のため、2〜3年くらいで買い換えたほうがいいだろう。性能=画質と速度と使い勝手が、格段に違うのだ。 
ランニングコストはかなり高い
 インクは、思ったよりも早く大量に消費する。切れそうになってから次を買うのではなく、常に各色2〜3個は予備を購入しておくほうが良い。 
 社外品の安いインクが用意されているような機種を選ぶとランニングコストが低くて済む。 
 (「インクの詰め替え」というのもある。確かに安いが、仕事としてやるようなことではない。) 
デジカメを直結して印刷する機能
 デジタルカメラを専用ケーブルで直結したり、デジカメのメモリの挿入口を備えていたりして、デジカメで撮影した写真をパソコンを介さずに直接印刷する機能をもったインクジェットプリンタが増えている。 
 この機能を便利に思う人もいるかもしれないが、一般的にビジネス用途で考えた場合、印刷コスト(インク代と用紙代)や所要時間を思えば、パソコンに取り込んで選択・必要な加工をしたのち必要な写真のみ出力するというのが普通であり効率も良いだろう。 
 
 
□複合機
スモールオフィスにはいいかもしれない
 近年すっかり定着した「3in1、4in1または5in1」(プリンタ・スキャナ・コピー、デジカメ直結、そしてFAX)という複合機である。 
 大別して、「プリンタ+スキャナー」で「コピーができるプリンタ」という位置づけのものと、更にFAX機として使えるもの、の2種がある。 
 別の種類分けでは、プリンタ機構がインクジェットカラーのものと、モノクロレーザーのもの、そして大型機に多いがカラーレーザーのものとがある。 
 イニシャルコスト(導入費用)とランニングコストをよく検討した上で、こうしたオールインワン機を導入するのもいいだろう。 
考えるべき事
 置き場所・空間>>小型のものでも意外に置き場所に広い空間が必要であることに注意が必要だ(上・左右・手前など)。 
 故障>>複合機においてこわいのは「1つの機能が壊れたらどうするか?」ということだ。代替案を考えておかねば仕事にならない。 
 用紙サイズ>>小型の複合機は殆ど全て用紙はA4までの対応だ。大判用紙対応の大型機はとたんに高価になる。 
 コピー速度>>大型のコピー機に比べるとおそろしく遅い。大量にコピーする場合は時間がかかる。 
 
 
□ドットインパクトプリンタ
老兵は死なず(笑) まだ使われている
 世間一般には「絶滅した」(笑)ともしかしたら信じられているかもしれないが、ドットインパクトプリンタはいまだに有用な機器であり、特定の目的では代わるもののない存在である。 
 複写式の書類・伝票を扱う所、連続用紙でのデータ打ち出しをしている所にはなくてはならない。 
 メーカー各社とも新製品を開発している。連続紙をセットしたままで単票用紙を使えたり、単票用紙の端を自動的に検出できたり、単票用紙を水平に挿入・排出する形になっていたり、ネットワーク対応できたりする。 
 印字精度・印字速度も向上している。しかし、あの独特の騒音と振動は相変わらずだ。 
 
[ データストレージ ](ネットワーク対応ストレージ等)
□データバックアップの必要性
データ保存むかしばなし(笑)
 最初はフロッピーディスクだった。最大でも1.44MBの容量だった。 
 やがて「一太郎やワードの大きな文書はフロッピーに入りきらない」という問題が発生した。 
 MOというのができた。128MB、256MB、640MBという大容量だ。 
 CD−Rというのができた。700MBと、フロッピー500枚分近い容量だ。 
 一方で、パソコン本体に搭載される記憶装置:ハードディスクの容量がどんどん大きくなっていった。画像や図面などを扱うようになったためで、その後、音楽や動画などもパソコンで扱うようになっていき、さらにハードディスクの容量が増やされていくのだった。 
 テープ方式のものもDATや8mmなど手軽で大容量(4GB、8GBなど)のものが開発された。 
 DVD−Rもできた。4.7GBだ。二層式だとその倍も記録できる。 
 ところが、ハードディスクの容量はと見れば、80GB・160GB・250GB・320GB…と来て1TB(1000GBのこと)を越えすらしている。 
 もはやパソコンのハードディスクのデータをDVD−Rなどで保存するということ自体、現実的ではなくなっているのだ。100GBのデータを保存するにはDVD−Rが20数枚必要となり、分割して保存するための手間や時間を考えれば、毎日なんてとんでもない、週一度さえしたいとは思わない作業である。 
パソコンのデータ保存には「ハードディスク」しかない
 上述のように、パソコンに内蔵されているハードディスクの大容量化が急激に進んだ現状において、その内容であるデータを実用的に保存可能な外部メディアが存在しない状態である。 
 つまり、「ハードディスクのデータはハードディスクにバックアップする」しかない。 
 
 もちろん「一部の、ごく大事なデータだけ」を保存するなら他の方法もある。だが、日々追加変更されるであろうその「大事なデータ」を指定して保存するのは手間のかかる作業となるだろう。それに、大事なデータだけあればそれ以外はいつなくなっても問題なく仕事ができるというのだろうか。そうではないはずだ。 
災厄は突然に訪れる
 実際に起こった話だが、パソコンのハードディスクが何の前触れもなく突然故障し、データが一切読み出せなくなったお客様がいた。 
 この顧客はそれまでの幸運…過去数年以上数台以上のパソコンを使用していて一度も故障したことがないという経験から、データのバックアップを取ることを怠りがちになっていた。 
 緊急事態で駆け付け、ハードディスクが完全に故障して認識不能となっていることを確認した後、「データレスキュー」という特殊作業(壊れたハードディスクからデータを読み取る専門技術作業)の料金を調べてみたところ約50万円かかることがわかった。 
 気の毒だが、日ごろバックアップをとっておけば…と嘆いたとてもう遅いのである。 
外付けハードディスクにデータバックアップ
 USBその他の方式でパソコンと接続する、外付けで独立したハードディスクのことだ。 
 これらには、データバックアップのためのソフトがおまけでついてくる場合もある。データバックアップにはフリーソフトや、単独で売られている市販ソフトもある。バックアップソフトを使うほうが、手動で保存操作をするより楽なので使うことをお勧めする。 
 購入する外付けハードディスクの容量は、保存すべきデータの総量(複数パソコンからバックアップするならその合計)に将来の増加分と余裕分を加味して勘案する。 
 経理、人事、CAD、画像、文書製作その他の用途で多数のソフトを使い重要なデータを多量に保有しているパソコンについては、パソコン1台につバックアップ用の外付けハードディスク1台を専用に配置することをお勧めする。 
 また、近年データがますます肥大化する傾向にある個々のパソコンのハードディスク容量の不足をカバーするという使い方もある。ハードディスクが満杯近くなったのでもっと容量の大きいパソコンに買い換える、などといった事態を回避することができるわけだ。 
NAS(Network Attatched Strage:ネットワーク対応ストレージ(データ保存装置)
 「ナス」と呼ぶ。 
 外付け型ハードディスクかもう少し大きいくらいの装置で、ハードディスクを内蔵しネットワークにつないでそのハードディスクの中身をグループのみんなで共有できる機器である。 
 もちろんグループ内の全てのパソコンのデータバックアップ場所として使える。 
 簡易なファイルサーバとして情報共有・情報保護のための装置として使うこともできる。 
 製品によってはプリントサーバ機能(プリンタを接続し、これをネットワーク上の複数のパソコンから使用できるようにする機能)があるものもある。 
 容量が不足した場合にはハードディスクを追加して容量を増やすことの出来る機種もある。 
 便利で有効な機器ではあるが、ルール作りをきちんとして運用しないとただの雑多な「物置」と化すだろう。 
	 |